(25)夏と花火と私の死体(ISBN:4087471985)

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

初めて読んだ、乙一。デビュー作。
話の語り手のわたし(五月)は9歳の子供で、友達に殺されてしまって死体になった。それを隠そうと苦労する仲のいい友達の兄妹。
という設定から、「ハリーの災難 [DVD]」(ヒッチコック)みたいな話かと勝手に思って読み始めたら、こう来るのかーーという展開。ハリーのコミカルな成り行きとは違い、和風味あふれるというか…湿った空気を感じた。読み終わるとタイトルを見ただけでも、情景が浮かんできて涙ぐみそうになる。幻想的ではないですか。
私は南の方のイナカモノ*1なので、ここに書かれた情景をすごく身近に感じてしまった。人とのつながりもそうだけど、暗い所多いですよね。
そして、子供の時にせっせと生き物のお墓を作っていたなぁ、何故だったんだろう>自分…なんてことを思い出した。このお話、繰り返して読みそうな気がします。

*1:乙一さんも福岡出身だそうで